2010年6月22日 (火)

生きるためのデザイン、を見てきた

久々の更新です。前回の更新から2年以上経ってるのでヒカルロボは死んでしまったのではないかと思ってる人もいるかもしれませんね。ざんねん!ヒカルロボは生きていた。

私は相変わらずデザイナーを続けていますが、このところ「○○デザイン展」というイベントに足を運ぶことはほとんどありませんでした。「俺、勉強サボってる!これはイカン!」という事で、刺激を求めデザイン展に2箇所ほど廻ってまいりました。で、その2つには共通点があったので、まとめて紹介しようと思います。(まず無料ってのが大いなる共通点でしたが……)

ひとつ目は「世界を変えるデザイン展」です。

世界を変えるデザイン

世界を変えるデザイン
シンシア-スミス著

“発展途上国に住む人々が直面する、さまざまな課題を解決してきた”デザイン”を紹介する「世界を変えるデザイン展」”

本も出ています
世界を変えるデザイン―ものづくりには夢がある

展示の内容については以下のリンクを参照下さい。スイマセン。

AXISギャラリー

AXISギャラリー

六本木の東京ミッドタウン・デザインハブとアクシスギャラリーで開催されました。AXISに行くのは久しぶりです。

会場はこんな感じ……。早めの時間(昼頃)に行ったにも関わらず盛況です。最終日だったという事もあると思います。若い人たちが多い印象。


ふたつ目は「ユニバーサルデザイン ビジネスシンポジウム2010

Renaissance / Soundtrack

トヨタ ユニバーサルデザイン ショウケース

会場は東京・青海 MEGAWEB内トヨタ ユニバーサルデザイン ショウケースでした。

実は初めて行きました。面白いです。ユニバーサルデザインをテーマに色んなモノが集められてます。改めてのんびり訪れてみたいと思います。あ、展示してあるモノは微妙に古いです。10年くらい前のモノが多いかな?あとバブル期の建築だと思うのだけど、微妙に70〜80年代の雰囲気。なんだろう。でもオススメのスポットですよ。クルマもたくさんあるし。

本題。まず最初の挨拶。日経デザインの下川編集長の挨拶が印象に残る。
日本のお金持ち順位は世界で3位。ユニバーサルデザインもこの上位の人たちを相手になされてきた。しかし近年、ユニバーサルデザインの考え方が発展途上国や貧困層を対象として含めつつある……とのことです。

その後、経済産業省 製造産業局 クール・ジャパン室 高木美香氏が挨拶。うお、肩書きに圧倒されて何を話していたのか覚えていない。検索すると出てきますね。

そして基調講演とゲスト講演があるのですが、両方とも先の「世界を変えるデザイン展」のプロダクト(プロジェクトと言った方が正しそう)に関わった方で、内容もそれに関することでした。「あ、AXISの展示が移動してきたんだな」と思いました。私にとっては理解を深めることが出来て好都合でした。

エミリー・ピロトン氏

基調講演は「Project H Design」創設者、「Design Revolution」著者のエミリー・ピロトン氏。

のっけに話した事にまず共感です。「現在、多くのプロダクトデザイナーが作ることの意味を深く考えること無しに、ただ消費するためのデザインに荷担していることに疑問を感じている。」

「消費のためのデザイン」もある事を認めた上で、Project H Design が目指している「問題解決のためのデザイン」の重要性を説いていました。

ちなみに私は消費寄りのデザインが苦手です。派手めの広告やファッション寄りのものはセンスありません。興味が無いというか、消費に荷担するためだけに仕事はしたくないと思っています。なのでピロトン氏の発言にはとても共感しました。

消費向けのデザインを否定するつもりはないです。そして自分にファッションやグラフィックのセンスがないのでコンプレックスあります。ぶつぶつ。

Project H Designの事は本家のページにも載ってますが、メモとして書いておきます。間違ってたらスイマセン。
http://projecthdesign.org/about.html の「Our Process」の段落

  1. Design through action.
    行動、実行することが最も重要
  2. Design systems,not stuff.
    モノではなくシステムを創る。
  3. Design WITH, not FOR.
    「〜のために」ではなく「一緒に」
  4. Start locally, and scale globally.
    ローカルに始め、グローバルに拡大してゆく。
  5. Document, share, and measure.
    文書化し、共有し、評価する。

ラビ・チャタパー氏

さて、次のゲスト講演は frog design Shanghai ストラテジーディレクター ラビ・チャタパー氏。「ピロトン氏のProject H Designとは違い我々フロッグデザインは利益を追求するデザインをしています。」と切り出します。

「デザインの価値」は何なのか、クライアントに説明を求められたときに説明できる数字、科学的アプローチが大切ということが言いたいようだ。ううむ、この辺で頭が疲れはじめる。会場寒いし。

デザインイノベーション

デザインイノベーション
ハルトムット・エスリンガー著

実は先週、フロッグデザインの創始者ハルトムット・エスリンガー氏の著書「デザインイノベーション デザイン戦略の次の一手」を買っていたので、それ読めばいいんじゃないかと思い始め、集中力が切れてました。すいません。

この本、まだ読んでませんがパラパラめくったところ字が大きくて読みやすそうです。「戦略」なんて言葉はおおよそ私には合わないし関わりたくもないけれど、自分を売り込むための知識として使えそうだと思ったのでした。

なんか帯に「デザインとは優れたビジネス戦略の一部であって、芸術ではない。」って書いてあるな。芸術じゃないというのは同意だけど、すげぇムカつく一文です。もしこんなことを上司やクライアントから言われたら、少なくとも私はモチベーション下がっちゃいます。

話は会場にもどり……その後、事例の講演があったのですがここでは省略です。

モノではなくシステムでした

さて、両方の展示をみて共通していたこと。展示されているものはプロダクト、つまりモノなのですが、重要なのはシステムとかビジネスモデルの方でした。

モノから解決していくのではなく、まず生活の仕組みを変えていく方法を考え、それにモノがついていくという発想です。ユニバーサルデザインの守備範囲が広がったな、と思いました。

もうひとつ。ユニバーサルデザインというと「人に優しい」とか「使いやすい」というキーワードが思い浮かんでいました。しかし今回の展示では、生活のための切実な事情を解決していく事例が多く「人が人らしく生きていくための解決策」もユニバーサルデザインとして捕らえられつつあるんだな、と気付きました。

個人的にはちょっとモノ足りず

この数年私はウェブデザインばかりやってます。画面に映されるものだけを作るのは味気ないと思う瞬間もあります。今回の展示を選んだのは「手に触れられるモノ・デザイン」側からの刺激を求めていたという理由がありました。

けれど上記のようにシステムの話が主役として語られ、モノにはあまりフォーカスされてませんでした。個人的にはモノ好きな性分でもあるのでちょっとモノ足りなかったです。

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